わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

「こんな作品が読みたい!予選委員が教える、投稿原稿のABC」小説新潮2021年10月号

 今月号では「下読みぶっちゃけ座談会」と題し、「新潮ミステリー大賞」の一次選考に長年携わっている3氏の座談会が収録されていました。

 座談会の最後に「応募原稿の8箇条」をまとめています。私は小説を書く才はありませんが、読者の立場からも、ある意味、生き方にも通じる納得の提言だと思いましたのでご紹介します。

 以下、「 」が条文、( )は編者の解説、→以降は私の感想です。

1 「募集要項をとことん読みこむべし!」(二重投稿の禁止など当たり前を守ることが大事)→まさに法令順守。世の中のルールは守りましょうということですね。

2 「読みにくさで物語を壊すまじ!」(見にくい表記や誤字脱字で読者の心は離れていく)→例えば、本誌連載の「11番目の色」(重松清)で作者は「障碍」という表記を使っています。この作品は障害児をもつ親の気持ちを丁寧に扱っていていい作品だと思います。しかし恐縮ですが、この表記を見ると途端に心が離れてしまいます。何事も独りよがりと思われないようにすることが大事ということかと思います。

3 「締切3か月前に原稿を書き上げるべし!」(時間をおいて読むと作品の穴が浮かび上がる)→何事もゆとりをもって取り組むことが大切ということですね。

4 「応募前に読んでくれる人を見つけるべし!」(書き手の想いが伝わっているかは読み手にしかわからない)→想いや主張が強いほど他者に伝わっていないことを経験しています。他者の声に耳を傾けよということですね。

5 「ステレオタイプには逃げるまじ!」(誰でも書ける作品は誰の心にも響かない)→自分の強みを磨くべしということに通じますね。

6 「削る勇気を持つべし!」(物語の長さと読者を楽しませる難しさは比例する)→長いだけでつまらない小説が普通に刊行されていますね。長編ならせめて各章や節の段階で小さな山場を提供してほしいものです。削る勇気は真摯な生き方に通じる考えだと思います。

7 「流行に身を任せるまじ!」(流行のジャンルや題材には様々なハードルが・・・)→奇想天外な作品でもその中で一貫したリアリティ("この前提ならそういう現実があってもいいよね”という感覚)が共有できると嬉しくなりますね。どんな場面でも自分のスタイルを見失わないということかと思います。

8 「たくさんの作品を読んで未来のライバルを見定めるべし!」(世間のエンターテイメントを知れば自分の力も見えてくる)→見聞を広めよということですね。最後にすばらしいエールです。