わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

今野敏「探花 隠蔽捜査9」(第10回)小説新潮2021年7月号

 今シリーズで登場した八島警務部長。同期入職中、トップの成績で入庁したことが誇りで、そのまま最高位まで昇り詰めることが人生の目標のような人物です。同期入職3位の竜崎刑事部長に対しても余裕の態度で接していましたね。

 竜崎は何となく八島と距離を取っていた印象でしたが、事件に関係する情報を知っているとみられる八島と面会したのが今月号でした。

 八島への追及は圧巻でしたね。一度左遷を経験している竜崎とは辛酸の舐め方や現場経験に違いがあり過ぎ、一枚も二枚も竜崎の方が役者が上だったようです。八島は事件の背後関係をあっさり白状してしまいました。「なあ、君は官僚だろう。大西先生に貸しを作っておいて損はない」・・「俺は、ただの官僚じゃない。警察官僚だ」・・かっこいい!(作者さんが楽しんで書いているのが目に浮かびます)

 八島の処遇を佐藤本部長から問われた竜崎は「捜査に協力させればいい」と八島を活かす意向を伝えます。竜崎に活かされる八島は竜崎の信奉者になるのか復権を誓うのか、このあとどんな官僚生活を送るのでしょう?

 事件の全貌は見えてきました。あとは息子の邦彦の失踪と「探花」の意味をどうストーリーに組み込むかですね。期待しています。