わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

今野敏「探花 隠蔽捜査9」(第2回)小説新潮2020年11月号

 隠蔽捜査シリーズの新連載が先月号から始まっています。今シリーズでは新キャラクターが登場しています。八島圭介(やしま けいすけ)です。福岡県警から神奈川県警の警務部長に異動してきました。しかも、竜崎とは東大法学部で同学年で同期キャリアという設定です。

 さらに、阿久津参事官によると、入庁試験の順位は八島が1位で竜崎は3位だったとのことです。因みに2位は警視庁の伊丹刑事部長だといいます。私大出身の伊丹が2位とか、竜崎が3位とか、余談とはいえ絶妙な設定ですね。竜崎がそういうことに疎いのも竜崎らしいですね。

 伊丹に八島のことで電話すると八島には「黒い噂が付きまとっている」と言います。不穏な新キャラクター登場は大いに歓迎です。

 ところで今シリーズの事件は、横須賀で殺人事件が起き、逃走したのが白人男性ということです。横須賀の米軍基地の司令官や海軍犯罪捜査局、日米地位協定が絡み神奈川県警との役割分担など、これまでになかった展開になろうとしています。

 また、いつものように竜崎家の出来事も同時並行していきます。今回はどうやら長男の邦彦が留学先のポーランドで逮捕されたらしいところで第2話が終わっています。愛読者なら「また邦彦か」と落胆しますね。

 仕事と家庭の問題に竜崎がどう立ち向かっていくのか、楽しみな新作です。また、今シリーズのテーマは標題にあるとおり“花を探す”です。殺人事件があったのはヴェルニー公園です。妻の美紀が言っていたヴェルニー公園の「紫の薔薇」がストーリーのどこで絡むのかも気にしながら読んでいこうと思います。