わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

今野敏「清明 隠蔽捜査8」(新連載)小説新潮2018年9月号

 いよいよ「隠蔽捜査」シリーズ8作目が開幕です。物語は主人公の竜崎伸也が神奈川県警本部刑事部長として着任するところ始まりました。このシリーズをお読みの方はご存知のことですが、神奈川県警は竜崎が大森署長時代に合同捜査で指揮を執ったことのある県警です。 

 刑事部長の着任の日に上司や部下が反目することは考えにくいので、当然といえば当然ですが、上司にあたる佐藤実警察本部長までもが好意的です。この展開はいつも違う展開です。 

 ただ、竜崎が前触れもなくいきなり県警を訪れ、本部長に面会を求め、部下が当惑している様はいつものことで、竜崎の変人ぶりは如何なく描写されています。これでなくてはいけません! 

 合同捜査の時に当初反目し、その後竜崎に心酔した板橋武捜査一課長との再会はファンとして嬉しくなります。キャリア嫌いの板橋がもう一人嫌いでないキャリアとして耳打ちしたのが、永田捜査二課長という女性キャリアです。永田のキャラクターもこれから明らかになると思いますので、興味津々です。 

 刑事部長となった竜崎がどのように事件と関わるのか、あるいは県警本部の部長職ですので、政治的な案件にも遭遇するのか、他県との合同捜査があるのか、おきまりの同時並行する竜崎家の家庭内の問題はどのように展開するのか、そうそう、警視庁の伊丹刑事部長との関係はどうなるのか、等々、興味が尽きません。