わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

今野敏「宰領 隠蔽捜査5」(第10回)小説新潮2012年12月号

 今回の事件では、警視庁大森署管内で発生した衆議院議員誘拐事件の犯人が神奈川県横須賀市内から犯行声明をしていることから、横須賀署に前線本部が設置されています。大森署長の竜崎はこの前線本部に副本部長として派遣されている設定です。

 今月号では、ついに神奈川県警の板橋捜査一課長と竜崎との信頼のパイプがつながりました。竜崎は今、現場で求められていることについては、一貫して、警視庁と神奈川県警を分け隔てなく判断を下していることに、ついに板橋課長に真意が通じました。

 今月号のクライマックスは、竜崎が警視庁の伊丹刑事部長の命令を聞かず、警視庁のSITではなく神奈川県警のSTSを使う判断を下す場面です。

 いよいよ誘拐犯逮捕にむけてSTS突入の瞬間になりました。突入直前の緊迫場面ではSTSの小牧係長に突入方法の見解を聴きます。この態度に小牧係長は一瞬にして竜崎に信頼を寄せるようになります。「竜崎は時計を見た。午後11時45分。『私は今日中に解決したかったのだが、無理かもしれないな・・・』小牧が言った。「その願いを叶えてご覧に入れましょう」竜崎はうなずいた。『決行だ』」

 このあとの展開がどのようになるのかはわかりませんが、たぶん、この連載の中でも一番の山場に差しかかったように思います。大げさかもしれませんが、今、この連載を読んでいない人は人生の楽しみで少し損をしているかもしれません。最高です!