わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

唯川恵「牡丹燈籠異譚」小説新潮2012年8月号

 この作品は、三遊亭圓朝の怪談話「牡丹燈籠」を基にして亡霊と人間の悲恋を唯川が官能作品に仕上げています。 

 浪人・萩原新三郎と旗本の娘・露は恋仲に陥りますが、身分の違いから新三郎は死んだことにして露の元を離れます。その後、露は毎晩、新三郎の家を訪れるようになります。新三郎と露の情交がたっぷり描かれています。 

 しかし露はすでに悲嘆のあまり病死し、亡霊となって新三郎のもとを訪れていたのです。亡霊であることを知ると、一度は成仏させようと御札を貼り死霊除けの経を唱え部屋に入れさせませんでしたが、最後は部屋に招き入れます。朝になると白い骨が絡みついた新三郎の穏やかの死に顔の亡骸がありました。