わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

柴田よしき「さかさまの物語Ⅲ 名前のない古道具屋の夜」小説新潮2011年7月号

 前月号までで贔屓(ひいき)の作品が相次いで最終話を迎えましたので、今月はわたしの中で順位が大きく変わりました。大きく順位の変動した作品の感想を書きます。ただし、第1位の「魔術師の視線」(本多孝好)は前回アップしましたので、そちらをみてください。

 

 A群は好みの作品群です。B群も嫌いではありません。C群はやや好みから外れる作品群です。

 

A群

1位 「魔術師の視線」 本多孝好

2位 「鋼のアリス」 池井戸潤

3位 「赤猫異聞」 浅田次郎

4位 「春風伝―高杉晋作萩花の詩」 葉室麒

5位 「神様が降りてくる」 白川道

6位 「さかさまの物語Ⅲ 名前のない古道具屋の夜」 柴田よしき

7位 「冬芽の人」 大沢在昌

 

B群

8位 「空蝉風土記 金沢・夜神、または阿神吽神」 さだまさし

9位 「ソロモンの偽証」 宮部みゆき

10位 「べんけい飛脚」 山本一力

11位 「サンライズ出雲殺人事件」 西村京太郎

12位 「神君家康の密書」 加藤廣

13位 「ハチミツ」 橋本紡

14位 「鬼の捨て子」 蜂谷涼

15位 「星夜航行」 飯嶋和一

16位 「月光の誘惑」 赤川次郎

17位 「いま時間が身を傾けて」 原田宗典

 

C群

18位 「蓋島伝 長宗我部元親秘録」 荒山徹

 

「さかさまの物語Ⅲ 名前のない古道具屋の夜」 柴田よしき

 小説家志望の貧乏な日常を題材にした小説はある意味、書きやすいテーマなのだと想像します。この物語もその部類の小説です。ただし、第1話は極めてミステリアスな雰囲気を漂わせていました。近所にできた古道具屋で逆さまに印刷された古本を買わされるように買ってしまったところから始まっています。主人公は仙崎秀(せんざきしゅう)、大学中退の21歳ぐらいの設定です。先月号(第2話)では、不思議な古道具屋は出てきませんが、秀がアルバイトしている弁当工場に泥棒が入りましたが、何も盗られていません。今月号(第3話)では密かに好意を寄せるパートの咲子(さきこ)から仕事上がりに咲子の車に同乗を誘われたりと何やら貧乏な日常から不思議な展開に発展しそうです。