わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

原田マハ「夢をみた」(第9回)小説新潮2011年5月号

A群

1位 「夢をみた」 原田マハ

2位 「空蝉風土記 京都・はかぼんさん」 さだまさし(新シリーズ)

3位 「虚空の冠」 楡周平(最終回)

4位 「鋼のアリス」 池井戸潤

5位 「転迷 隠蔽捜査4」 今野敏(最終回)

6位 「冬芽の人」 大沢在昌

7位 「神様が降りてくる」 白川道

B群

8位 「糸桜 古手屋喜十為事覚え」 宇江佐真理

9位 「赤猫異聞」 浅田次郎

10位 「ソロモンの偽証」 宮部みゆき

11位 「星夜航行」 飯嶋和一

12位 「魔術師の視線」 本多孝好(新連載)

13位 「さかさまの物語Ⅰ 名前のない古道具屋の夜」 柴田よしき(新連載)

14位 「べんけい飛脚」 山本一力

15位 「荻窪 小助川医院」 小路幸也 

16位 「鬼の捨て子」 蜂谷涼

17位 「ハチミツ」 橋本紡

C群

18位 「春風伝―高杉晋作萩花の詩」 葉室麒

18位 「蓋島伝 長宗我部元親秘録」 荒山徹

18位 「長崎屋のたまご しゃばけ」 畠中恵

(説明)

 A群は好みの作品群です。B群も嫌いではありません。C群はやや好みから外れる作品群です。今月も印象に残った作品の感想を書きました。

「夢をみた」 原田マハ

 今月号の連載小説で最も心を揺さぶられた作品は「夢をみた」(原田マハ)です。いよいよティム・ブラウンとオリエ・ハヤカワ(早川織絵)のルソーの「夢をみた」真贋講評コンペは最終段階になってきました。2人に課せられたルソーをめぐる謎めいた課題小説も最終章です。夫・ジョセフがいち早くルソー作品に心酔していく中で、妻・ヤドヴィガもルソー作品とルソーへの敬愛が深まっていきます。ついにルソーの余命幾何もない中で、ヤドヴィガはルソーのモデルになることを決心します。ヤドヴィガがルソーの最高傑作の中で「永遠を生きる」ことを決心する過程とジョセフがルソーと妻に寄せる深い理解を鬼気迫る緊張感で描いています。私はこの展開には何度も感涙を拭いきれませんでした。