わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

小説新潮2011年4月号わたしのお好みランキング(第2部)

(第1部からのつづきです)

第2部(連載・連作の部)

A群

1位 「春風伝―高杉晋作萩花の詩」 葉室麒(新連載)

2位 「夢をみた」 原田マハ

3位 「鋼のアリス」 池井戸潤

4位 「虚空の冠」 楡周平

5位 「転迷 隠蔽捜査4」 今野敏

6位 「冬芽の人」 大沢在昌

7位 「神様が降りてくる」 白川道

B群

8位 「勝ち逃げの女 君たちに明日はないPART4」 垣根涼介

9位 「赤猫異聞」 浅田次郎

10位 「ソロモンの偽証」 宮部みゆき

11位 「星夜航行」 飯嶋和一

12位 「明日のマーチ」 石田衣良(最終話)

13位 「ウィスキーキャット 飲めば都」北村薫(最終話)

14位 「べんけい飛脚」 山本一力

C群

15位 「蓋島伝 長宗我部元親秘録」 荒山徹

16位 「鬼の捨て子」 蜂谷涼(新連載)

17位 「荻窪 小助川医院」 小路幸也 

18位 「春がいっぱい かわいげ」 重松清(最終話)

19位 「ハチミツ」 橋本紡

20位 「からかみなり しゃばけ」 畠中恵

(説明)

 A群は好みの作品群です。B群も嫌いではありません。C群はやや好みから外れる作品群です。

 今月号は最終話の作品が3つありましたので、最終話のシリーズ作品の感想を書きます。

 「明日のマーチ」(石田衣良)は派遣切りにあった3人の青年が山形から東京まで徒歩で旅行する物語でした。途中での3人の葛藤や旅行中でのブログ発信がやがて3人を派遣切り世代のヒーローに仕立てあげてしまうことになります。全編をとおして安定した作品だったと思います。最終話でも息切れすることなく「明日」につながる最終話でした。

 「飲めば都」(北村薫)は不定期読切連作でした。この作品は雑誌編集部の出来事をユーモアあふれる筆致で軽快に描いていて、毎回楽しめました。

 「かわいげ」(重松清)も不定期読切連作でした。私が読み始めたのは2話目からです。正直言いますと、3話目までは好印象でしたが、第4話の「みちしお」(2010年7月号)からは食傷気味になりました。私は子どもを扱った作品は好きですが、ここに登場してくる子どもはほとんど大人の感性で描かれていて全然子どもらしさが感じられません。一番当惑したのは、第4話の「みちしお」に出てくる「ケンちゃん」でした。何の苦労も不幸も体験したはずもない幸せな家庭に育った元気いっぱいの小1の男の子がまるで人生の苦楽を一通り経験したかのような思慮深い考え方をしているのです。この作品以降、私の好みはぐっと下がりました。