わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

白川道「神様が降りてくる」小説新潮2010年12月号

 この作品は2010年2月号からの連載です。ただし、7月号までは毎号連載していましたが、しばらく休刊し11月号から再開しています。11月号で第3章になりましたが、この3か月の休刊のあとに展開が変わってしまった感があります。

 

 第1~2章は、榊俊之という服役経験のある作家の心情を中心に展開しています。物語は、榊が服役している時に知り合った米兵受刑者フィルのその娘、大城里奈から父親であるフィルのことが知りたいと手紙があり、これまで固く閉ざしていた服役中のことを徐々に里奈に語り始めます。

 

 第3章からは、榊は登場せず、大城里奈が中心となっています。里奈が沖縄に帰って、沖縄での養父母の家を拠点にして、実母がフィルと知り合うきっかけなどが明らかになるような展開です。若いころの母親を知る伊波という男も登場してきました。

 

 しかし、これまでの展開では未だ明らかになっていない点があります。

 

 1つは、この作品の標題はなぜ、このように重い題名なのか、どのようなストーリーにつながっていくのかが現段階ではまったく見えていません。徐々にフィルの実像が明らかになって行く過程で「神様が降りてくる」のか、別の展開で突然降臨するのか、重い題名であることだけは確かです。

 

 2つには、里奈はいつどのようにして伯母夫婦の養女になったのかも触れらていません。ただ、養父母に愛されて育てられた設定は救いです。

 

 また、別の面で気になる展開は、2010年11月号(第7話)と2010年12月号(第8話)では重複する記述が多いのですがこれはどうしたことでしょうか?執筆時期が異なるのかもしれませんが、単行本になるときは推敲されるのかもしれませんね。