わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

橋本紡「蝶」小説新潮2010年10月号

 この作品はかなり編集者の意図にそった作品に仕上がっていたと思いました。

 主人公の宮本はフォーシーズンズホテルのラウンジからスコールのような雨を見て、「蝶がいる」と独り言をいうところから、紀伊半島での高校時代の記憶が展開されます。千紗との淡い恋、進路のこと。そしてデザイナーとして行き詰りそうな状況の中に置かれながらも業界人としてなんとか(チャラチャラ?)生きている現在に戻って物語は終了します。

 因みに、ここでの「蝶」はスコールの飛沫が蝶に見えるということで、本来ならば作品の重要なキーとなっていないといけないと思うのですが、それほど意味のあるキーワードにはなっていないように感じました。