わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

南綾子「ステップアウトは減点」小説新潮2010年6月号

 今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。

 

 フィギアスケート選手の追っかけでイタリアまでやってきて、旅先で何とも卑劣な日本人男に手籠めにされたものです。情事のあとに「服のセンスが悪い」だの、「食事代を半分置いていけ」だの、挙句の果てにはシャワーも使わせず部屋から出されるとは。日本に帰ってきて後腐れなくするためには、これくらいの態度を取るに限ると、お得意のナンパ術なのでしょう。ひどい仕打ちを受けても、また別のフィギア選手の追っかけおばさんで昇華してしまう結末は何ともやり切れない読後感でした。