わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

26年後の小説新潮にタイムスリップして

 1984年の世界から2010年の世界にタイムスリップしてきたような感覚です。残念なことに年齢も等しく26歳、年をとりました。改めて26年後の小説新潮を見ますと、だいぶ様子が変わっていると感じました。

 1980年前後の世界では発行部数は20万部を超えていたと記憶していますが、今は3万部程度のようです。当時は、毎月22日には新聞に5段広告が載っていましたが、今は隔月で半5段という程度ですね。書店によっては小説新潮を置いていないところもあります。

 また、当時は「中間小説」というジャンルを形成していました。大衆小説と純文学の中間というような位置づけです。まだ再開して6か月しかたっていないので、現在の小説新潮がどんな位置づけなのかピンときませんが、少しずつ楽しんでいきたいと思います。

 作品について言いますと、さきごろ亡くなった井上ひさしの代表作となった「吉里吉里人」は1970年代後半に同誌に連載され、毎号、抱腹絶倒の連続で次号の発売が楽しみでした。さて、2010年6月号は女性作家による官能小説の特集ですが、何とも即物的な感じがしました。30年前の川上宗薫などはもう少し抒情的だったような印象です。即物的なのはWEB環境の影響が大きいのでしょうか。

 ところで、今の作家は名前の読みがわからない人が多くて困ります。小説すばるには作家のルビや略歴が巻末に載っていたりと、若い読者層を意識した工夫がされていて良いと感じました。こういう営業努力は必要なのでしょう。

 もし、私が30年遅く生まれていたら、小説新潮より小説すばるを選択したかも知れないですね。それでも26年ぶりに小説新潮に戻ってきたのは、期待を込めて官能小説が少ないことと、何となく身近であったからだと思います。今後とも良い雑誌を刊行してください。