わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

2012-08-13から1日間の記事一覧

高橋克彦「モノクローム」小説新潮2012年8月号

主人公の「私」はモノクロ写真の魅力にとりつかれた小説家です。ある時、「私」が注目している版画家の竹宮康平がモノクロ写真の個展を開くことを知り個展に訪れます。あいにく竹宮は個展会場にはいませんでしたが、来訪を知った竹宮から会いたいと連絡があ…

恒川光太郎「スノー・ゴースト」小説新潮2012年8月号

この作品は、今回の特集作品でもっとも魅かれる作品でした。主人公は松田孝之。中2の時に自分たちで作った氷の宮殿で、一度は好意を寄せた同級生の児玉マリナにほとんど衝動的に殺されてしまいます。その後、松田は冬に限って短期間、復活することができる…

唯川恵「牡丹燈籠異譚」小説新潮2012年8月号

この作品は、三遊亭圓朝の怪談話「牡丹燈籠」を基にして亡霊と人間の悲恋を唯川が官能作品に仕上げています。 浪人・萩原新三郎と旗本の娘・露は恋仲に陥りますが、身分の違いから新三郎は死んだことにして露の元を離れます。その後、露は毎晩、新三郎の家を…

北村薫「開く」小説新潮2012年8月号

大学のサークルかゼミか判然としませんが、民間信仰のフィールド調査に出かけた時の出来事です。紫苑(しおん)は調査で訪れた神社で土中に埋まっているとっくりの栓が突然飛ぶ場面に遭遇します。コンパの席で先輩から霊が取り付いているといわれ、お守りに…

小池真理子「座敷」小説新潮2012年8月号

この作品は、導入から何となく怖い予感のするお話で、実際かなり怖いお話でした。物語は、大学時代の友人・真由美が地方の大地主の長男と結婚したのですが、夫は3歳の第1子とともに交通事故死してしまいます。真由美はその後義弟と再婚します。「私」は真…

佐藤愛子「怖いお話」小説新潮2012年8月号

2012年8月号は502ページとかろうじて500ページを超えた程度のボリュームでした。毎号読んでいる読者には今月号は良し悪しは別として「薄い」と受け止めたと思いますが、初めて書店で関心をもった人はどのように感じるのでしょうか。手抜きの雑誌…