わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

2012-01-12から1日間の記事一覧

井上荒野「ほろびぬ姫」小説新潮2012年1月号

この作品は、双子の兄と結婚した「私」が夫を呼ぶ場合の呼称としての「あなた」と夫の入院を機に夫が呼び寄せた弟を2人称として呼ぶ場合の「あなた」を意図的に一緒に使っています。そのため、流し読みしていると、今はどちらの兄弟に向かって話をしている…

坂東眞砂子「Hidden times」(第5回)小説新潮2012年1月号

この作品は時代も主題設定もまったく違う3つの物語が並行して展開しています。 1つは、南太平洋ソロモン諸島にあるイリアキ島でツアーコンダクターをしている美郷を主人公にした物語です。時代設定は現在です。主題は同島に伝わるサリタという砂絵をめぐる…

大沢在昌「冬芽の人」小説新潮2012年1月号

これまではそれなりに事件はあるものの、どちらかというと強烈な印象の残る作品ではありませんでした。それは、登場人物に奥畑とか奥平とかの兄弟や親せきなど似たような名前が多数登場し、毎月の連載で1か月、間が空く間に登場人物の位置関係が分からなく…

本多孝好「魔術師の視線」(第7回)小説新潮2012年1月号

昨年11月号あたりから俄然、小説新潮が充実していると思います。12月号からは4作の連載が始まり、今月号は2作新連載が始まっています。最近の新連載には手に汗握る緊迫感のある作品が多く、次回作が待ち遠しくなる作品ばかりです。 今月号も私の好みの…