わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

2010-09-26から1日間の記事一覧

小島達矢「同居人」小説新潮2010年10月号

この小説も編集者の期待を裏切ったのではないかと思いました。 3人の同居人はモチヅキに脅されてアパートの一室で8時間ずつの時間差で同居をしています。「あいどる55」なるAKB48もどきのユニットのファンであることをひた隠しにしてのドタバタが延…

井口ひろみ「おんなじ羽のゴジラがいる」小説新潮2010年10月号

高1の翔太は三十路のバンドの熱烈なファン。同年代ではかなりマイナーなファンの設定です。物語は、ゴジラ顔の強面の柔道部員が実は同じバンドのファンだったことがわかり、ブログという現代のIT環境の中で友情を育んでいくさわやかな青春小説です。 ファ…

久保寺健彦「パパはドラキュラ」小説新潮2010年10月号

この作品も青春小説として特集に入れるのは無理があるように感じましたが、ネグレクト(放任、児童虐待の一種)の子どもの心情を良く描いている作品で印象に残りました。 物語の主人公の尚人(なおと)は29歳のホストクラブのホストで、犬歯が大きくドラキ…

三羽省吾「俺、もうオナニーだけでいいや」小説新潮2010年10月号

この作品は「蝶」とは逆に、題名が作品の重要な要素になっています。どこの高校にもいそうなY談ばかりしている男子高校生グループの話です。 このグループが通称「オナ研」です。男子高校生にとってどのように童貞を捨てるかは、そのイマジネーションを含め…

橋本紡「蝶」小説新潮2010年10月号

この作品はかなり編集者の意図にそった作品に仕上がっていたと思いました。 主人公の宮本はフォーシーズンズホテルのラウンジからスコールのような雨を見て、「蝶がいる」と独り言をいうところから、紀伊半島での高校時代の記憶が展開されます。千紗との淡い…

川島誠「はじめての夏」小説新潮2010年10月号

今月号は、青春小説特集です。ただし、「大人のための」という枕詞がつきます。また、「あの頃を遠く離れて」との副題がつきました。作品には、青春小説とは言い難い作品と編集者の意図に沿った作品が混在していると感じました。編集者は出稿された作品をみ…