わたしの小説新潮日記

小説新潮の感想を中心としたブログです

2010-06-20から1日間の記事一覧

木爾チレン「溶けたらしぼんだ」小説新潮2010年6月号

「第9回女による女のためのR-18文学賞」優秀賞受賞作とのことです。官能小説でもこれくらいの水準なら好感が持てます。主人公は地方美大の女子大生であり、同学年の美大生と性愛に発展していくストーリーです。描写は地方の空気を感じさせる素朴な風景…

西加奈子「白い徴(しるし)」小説新潮2010年6月号

2010年6月号はいわゆる官能小説特集でした。官能類似の作品もいくつか掲載されていましたので、2作品ほど感想を2回に分けて書きます。 「白い徴(しるし)」 西加奈子 3回の連載が終わました。何とも後味の悪い小説でした。主人公の女は白い富士山の…

乾ルカ「漆黒」小説新潮2010年6月号

今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。 新入社員に好意を寄せる毛髪フェチの陰気な男が主人公の物語です。ただ、毛髪収集の異常行動がていねいに描かれており、作品としてはふしぎに上品さとユーモアが漂います。最後の結末で、美人新入社員…

蛭田亜紗子「明日の私は私に背く」小説新潮2010年6月号

今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。 お見合いパーティで知り合った男と何となく結婚を前提で付き合いを始めるのですが、その後も次々とお見合いパーティめぐりを繰り返し、次々と男を選んではその男の部屋で次々と性交渉してしまう女の物…

大石圭「オカメインコ」小説新潮2010年6月号

今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。 元銀座の売れっ子ホステスが42歳の現在売春婦になっている設定です。3人の男から依頼があり、お金であらん限りの凌辱を受けます。流辱描写はエロサイトそのままで、活字からイメージを膨らませる小…

窪美澄「なすすべもない」小説新潮2010年6月号

今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。 幼馴染と婚約し挙式直前に、夫の父親が亡くなり、3回忌が明けるまで挙式を延期しました。その間に夫はすでに性に関心を失ってしまいます。いよいよ2年が立ち、挙式を迎える直前に同級生である夫の弟…

南綾子「ステップアウトは減点」小説新潮2010年6月号

今月号は“官能小説”の特集でした。そのうちの一作です。 フィギアスケート選手の追っかけでイタリアまでやってきて、旅先で何とも卑劣な日本人男に手籠めにされたものです。情事のあとに「服のセンスが悪い」だの、「食事代を半分置いていけ」だの、挙句の果…